日本とは全然違う!イギリスの妊婦健診とは?

妊娠・出産

駐妻生活にも慣れてきた頃、二人目の妊娠が発覚!
日本とは医療制度が異なる海外での妊娠・出産は不安がいっぱい。

イギリスでの妊婦健診の具体的な流れ、日本との違いをご紹介します。
日本でのみ行われる検査項目については、
日本産科婦人科学会による推奨レベルも書いておきますので、
検査の追加を考える方は参考にしてくだいね!

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イギリスで妊婦健診を受けるには? 〜GP登録

イギリスで病院を利用するには、GPの登録が必要です。
妊婦健診を受けるにも、同様にGPの登録が必要!

midwife(助産師さん)との初回の面談が、通常妊娠10週くらいにあります。
遅くとも妊娠10週には登録が完了するようにしましょう。

GP登録、NHS番号取得のやり方はこちらもどうぞ。

イギリスの妊婦健診の特徴は?

日本とイギリスの妊婦健診はかなり違います。

イギリスの妊婦健診の特徴は、

・全て無料
・基本はmidwifeに妊婦健診してもらう。初回は妊娠10週。
・超音波検査は妊娠12週と20週の2回だけ
内診は基本しない
・ダウン症を含む染色体異常の検査も希望すれば無料で受けられる。

12週までは超音波で妊娠の確認ができません!これは不安!!

お医者さんに会うのも妊娠12週、20週の2回だけ。
出産でも問題が起こらなければ、お医者さんは登場しません。

助産師さんメインという点では、
日本の助産院での妊婦健診・出産に近いシステムです。

イギリスの妊婦健診の具体的な流れは?

次に、イギリスでの妊婦健診の一般的な流れをご紹介します。

妊娠24週、31週、40週は初めての妊娠の人が対象。
妊娠28週の耐糖能検査は、全員を対象にした検査ではありませんが、
日本人を含むアジア人は対象になっています。

妊娠検査陽性 GPに会い、NHSを決める。
midwife・エコー日の予約。
妊娠10週 midwifeによる妊婦健診。
問診と血液検査(感染症、遺伝疾患検査※1)。
避けるべき食べ物などの情報提供。
妊娠12週 1回目の超音波検査(分娩予定日決定)。
希望があれば染色体異常の検査(combined test※2)。
妊娠16週 midwifeによる妊婦健診。
妊娠20週 2回目の超音波検査(胎児スクリーニング)。
(妊娠25週) midwifeによる妊婦健診。
母親学級の案内。
妊娠28週 midwifeによる妊婦健診。
血液検査(貧血、耐糖能検査)。
MAT B1 formの提供。
(妊娠31週) midwifeによる妊婦健診。
妊娠34週 midwifeによる妊婦健診。
血液検査(貧血チェック)。
鼻腔スワブ検査(MRSAの検査)。
出産方法や母乳育児について相談。
妊娠36週 midwifeによる妊婦健診。
頭位かの確認
妊娠38週 midwifeによる妊婦健診。
(妊娠40週) midwifeによる妊婦健診。
妊娠41週 卵膜剥離(内診)
入院日(促進剤を使って分娩にする日)決定。

midwifeが必要と判断すれば、
これ以外にもお医者さんとの面談をセッティングしてもらえます。

※1, 2は日本ではルーティーンに行われていない検査です。
下の方の、
イギリスの妊婦健診にあって、日本にない検査項目は?
で触れていますので参考になさってください。

 

「midwifeによる妊婦健診」の具体的な内容は?

midwifeによる妊婦健診でしてもらう事は、

・尿検査
・体重測定
・血圧測定
・児心音聴取(妊娠16週以降)
・子宮底測定(妊娠24週以降)
です。

midwifeとの面談場所は、

・自宅
・Children’s centre
・GPの診療所
・NHSの病院

のどこかです。
自宅の事もあるのが、新鮮!

日本人は子宮底があまり大きくならず、
追加の超音波検査に回される事も多いようですよ。

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日本とイギリス、検査項目の違いは?

ルーティーンで行われる検査項目も日本とイギリスでは異なっています。

日本の健診にあって、イギリスの健診にない項目は?

たくさんあります。

2017年度版の日本産科婦人科学会による
産婦人科ガイドライン〜産科編
推奨レベルも併記しておきますね。

イメージとしては、

レベルA:検査を強く勧める
レベルB:検査を勧める
レベルC:できれば検査するとよい

といった感じです。

妊娠初期の検査

イギリスでは検査されない、妊娠初期の項目と日本での推奨レベルはこちら。
・妊娠12週以前の超音波検査
・膣分泌物検査【C】、クラミジア検査【B】
・子宮頸部細胞診(子宮頸がん検査)【B】
風疹抗体検査【A】
HTLV-1抗体(成人T細胞性白血病)検査【A】
C型肝炎抗体検査【A】
・血糖検査【B】

たくさんありますね。

下から4つは血液検査の項目です。

妊娠12週以前の超音波検査

日本では通常、妊娠12週以前に

・子宮内の妊娠の確認
・赤ちゃんの心拍の確認
・分娩予定日の決定(妊娠週数の決定)
のために、超音波検査が何度か行われます。

このうち、分娩予定日の決定は赤ちゃんごとの成長の誤差の少ない
妊娠8週〜10週にされるべき
とされており、この超音波検査は推奨レベルBです。

イギリスでは妊娠12週の超音波検査が分娩予定日決定の役割を果たしています。
日本での推奨レベルBの超音波検査の代わりが、
イギリスでの妊娠12週の超音波検査ですので、
早い時期の超音波検査は日本でも必要性は高くないものと考えられます。

でも、推奨レベルとは関係なく、

早く妊娠の確認したい!
子宮外妊娠で突然大出血したらどうしよう…

など不安な気持ちの多い妊娠初期ですので、
日本の早い時期の超音波検査はありがたいと思います。

感染症の血液検査 〜推奨レベルA!

風疹抗体・HTLV-1抗体・C型肝炎抗体の、感染症の検査項目は、
推奨レベルA
で、日本では強く検査が勧められています

 

妊娠中期の検査

イギリスでは検査されない、妊娠中期の検査項目と推奨レベルはこちら。
・子宮頸管長測定(経膣超音波検査)【C】

日本では、

妊娠23週くらいまでは、4週間ごと
妊娠24週〜35週くらいは、2週間ごと
の妊婦健診です。

実際にはほとんどの施設で毎回超音波検査が行われますので、
妊娠中期では妊娠16週、24週、26週も超音波検査で赤ちゃんを見てもらえる事が多いです。

ただ、ガイドライン的には重要な検査ではないようですね。

子宮頸管長(Cervical length)

子宮頸管長は子宮の出口の長さです。
短くなると早産になるリスクが上がります。

お腹がすごく張って痛い
( I have painful constructions! )

とか強く主張すれば、NHSでも見てもらえると思います。

もちろん、前のお子さんが早産だった方など、
必要がある場合には測ってもらえます。

子宮頸管長と早産については、こちらの記事に詳しく書いてあります。

 

妊娠後期の検査

イギリスでは検査されない、妊娠後期の検査項目と推奨レベルはこちら。
・妊娠30週前後、37週前後の超音波検査【B】
・GBS(B群溶連菌)検査【B】
・内診

 

妊娠30週前後、37週前後の超音波検査

妊娠30週前後では、

・赤ちゃんの成長
・胎盤の位置
・羊水量
のチェックが勧められています。

妊娠37週前後では、

・赤ちゃんの成長(巨大児の可能性チェック)
・赤ちゃんの胎位(頭が下か)

のチェックが勧められています。

GBS(B群溶連菌, Group B streptococcus)
GBSは女性の1/3くらいは膣に持っていると言われる菌で、
オリモノを検査します。

この菌はいても普段は悪さをしないのですが、
分娩の時にごくまれに赤ちゃんに感染すると重症の感染症を起こす事があります。

日本では妊娠後期にGBSがいるかチェックして、
GBSがいれば分娩の時にお母さんに抗生剤を注射します。

イギリスでは全妊婦に対して検査はしませんが、何らかの理由で検査をして妊娠中に一度でもGBSが陽性にでれば、分娩時に抗生剤を注射してもらえます

通常NHSでは、陣痛が来ても破水しても、生まれそうになるまで自宅待機を指示されることが多いですが、GBSが陽性の場合はすぐに病院へ行く必要があります。

お産が始まったらすぐに抗生剤を注射、その後も4時間おきに生まれるまで注射して、赤ちゃんが腟の中を通って出てくる時に感染するのを防ぎます

 

分娩の時に抗生剤を注射するだけで
赤ちゃんの感染症が防げるなら、日本みたいに調べるべき!

と思ってしまいますが、そこは医療費無料のイギリス。
頻度の低いものには国の医療費を使えなくても仕方ないのかもしれません…

NHSのHPによると、希望があれば検査可能!みたいです。
心配な方は、妊娠後期にmidwifeに相談してみましょう。

 

イギリスの妊婦健診にあって、日本にない検査項目は?

遺伝疾患の血液検査 〜鎌状赤血球、サラセミア

妊娠10週で行われる血液検査の項目(表の※1)です。
・鎌状赤血球検査
・サラセミア検査

鎌状赤血球症・サラセミアはどちらも遺伝疾患です。

日本人ではこの遺伝病の方が少ないので、
日本では妊婦健診の検査項目に入っていません。

イギリスで出産する場合には必須項目になりますので、
日本で妊婦健診を受けてきて、イギリスで出産する場合には
追加で検査される事になります。

染色体異常の検査(Combined test) 〜ダウン症などの出生前診断

イギリスでは、ダウン症(T21)など染色体異常を調べる
出生前診断
も通常の妊婦健診の中で、無料で検査可能です。

義務ではありません!
希望するかを聞かれた上で検査されます。

Combined test(コンバインド検査)は、

・超音波検査 (NT:首のむくみ)
・血液検査
・お母さんの情報
から、
赤ちゃんに染色体異常がある確率
を計算する検査です。

日本ではあまり行われない検査ですが、日本でいう
クワトロ検査
という種類の出生前診断と似た検査です。

あくまで確率なので、
検査が陽性=異常の確率が比較的高いとなっても、
必ずしも赤ちゃんに染色体異常があるわけではありません!
もし結果が陽性になってしまっても、
心配ですが、悲観的にはならないで!!

たとえば、ダウン症の確率が1/100でも陽性になります。
これは、
「同じ状況のお母さんがいたら、100人に1人の赤ちゃんに異常がある」
という意味です。
逆に、
「100人中99人の赤ちゃんは異常なし」
なんです。

本当に赤ちゃんに染色体異常があるか知りたい場合、
羊水検査
が必要になります。

お母さんのお腹ごしに子宮に針をさして羊水を抜くので、
流産のリスク(1/300)のある検査です。

Combined testが陽性の場合は、羊水検査も無料でやってもらえます。

コンバインド検査と他の出生前検査については、こちらの記事にまとめてあります。

まとめ

イギリスと日本の妊婦健診の違いについてまとめてみました。
日本の妊婦健診は手厚いですね!

私はNHSの健診のみだけでは不安だったので、
日系病院やイギリスのプライベートのクリニックを利用しました。
イギリスで受けられる妊婦健診のオプションのお話は次回で!