イギリスで第二子を妊娠。
ロンドンにあるSt. Mary’s Hospital(セント・メアリー病院)のプライベート病棟、
Lindo Wing(リンド・ウィング)で出産してきました!
出産編はこちら。
産後の診察、お部屋、食事、備品…
キャサリン妃も出産された”王室御用達” Lindo Wingでの、入院生活は?
イギリスらしくアフタヌーンティー付きでした!
部屋へ
出産2時間後、4階の入院棟へ車椅子で移動。

広いお部屋があいていたので、こちらをご用意しました。
1泊£5,900のスタンダードルームから、£6,275のデラックスルームにグレードアップしていただいたようです。
まるでホテルのような対応ですね。
部屋は下の写真のような感じ。
全室個室で、シャワー、トイレ、洗面付き。
茶色のソファーは付き添いの人用のベッドになります。
ソファーの他に椅子が2脚。
ベッドの奥には収納があり、枕元にはコンセント、壁にはテレビがかかっています。
机には雑誌、食事メニュー、耳栓、ボックスティッシュ。
ベビーコットには連れ去り防止のセンサーが置かれ、4階から出ようとするとアラームが鳴る設定になっています。
お茶をいただけるとの事だったので、夫はコーヒー、私はラズベリーティーをお願いしました。
もちろん紅茶も選択肢にありました。

ホテルのウェルカムドリンクみたい。
産後2時間でシャワー
お茶を用意していただいている間に、シャワーを浴びる事にしました。
シャワーはベッドからほんの数歩ですが、一応出産直後用の骨盤ベルトを装着。
それでも骨盤がグラグラで歩くのは大変でした。
トイレには清掃済みシールが貼ってあって、清潔感があります。
かなりの安産でしたが、それでもまだ産後2時間。立ったままで下着を脱ぐのも一苦労。
夫に助けてもらいながら、なんとか浴びました。
アメニティ、タオルは洗面台にある物を使用。
イギリスでは硬水のせいか、シャンプーによっては髪の毛がキシキシしますが、
置いてあるシャンプーはあまりキシキシにならず、不満なし。
日本では出産当日はシャワーを浴びられなかったので、サッパリできて嬉しかったです。
ドライヤーも洗面所にありましたが、壁に固定されていて少し不便。
立ったままでは辛いので、コードをギリギリまで引っ張って、トイレの便座に座って使用しました。
シャワーを浴びたら、洗面所に置いてある使い捨ての下着、産褥パッドを着用。
使い捨ての下着はアミアミの物でした。
産褥パッドは裏にシールの付いていないタイプ。
アミアミ下着はしばらく付けていたらアミアミでお腹がかゆくなってしまったので、翌日は持参していた下着を使いました。
ティータイム♥
髪の毛を乾かしている間に、midwife(助産師さん)がお茶を持ってきてくださいました。

最初にお手洗いに行く時は教えてくださいね。
尿量を測りますので。
その他、何かあったらナースコールをしてください。
のんびりティータイムです。

なんて優雅。
赤ちゃんのオムツ替え
部屋には、オムツ替えセットも置いてありました。
オムツはドット柄の物。
どこのブランドの物か少し調べましたが、わかりませんでした。
使って特に問題なかったので、入院中はこのオムツを使いました。
お尻拭きはなく、コットンボール。
コットンボールを濡らすための水を入れる容器もありました。
イギリスでは、新生児の時は肌に優しいコットンボールでお尻を拭くのが勧められます。
試しに使ってみると、コットンボールにたっぷり水を吸わせれば、こすらなくても胎便がするっと取れ、確かに肌には優しい印象。
ただ、

容器に水を入れっぱなしにしておくのは汚くて嫌だけど、
オムツ替えのたびにグラグラの骨盤で洗面台まで水を入れに行くのはおっくう…
という事で、3回目以降はお尻拭きを使いました。
ところで、これらのオムツ替えセットは、ベビーコットの下にありました。
何も言われなかったので、扉を開けて偶然見つけたのは、部屋に入ってしばらくしてからの事。
尿量チェック
夫は一旦帰宅。
その後、お手洗いへ行きたくなったのでナースコールをすると、容器を渡されました。
入院時の尿採取もこの容器でしたが、私はこの段ボールの容器、見た目に衝撃を受けました。
こういうものはプラスチックのイメージだったので。

尿量はクリアしたので、もうこれ以降はナースコール不要です。
上の子と赤ちゃんの初対面
夫が上の子と両親を連れて戻って来ました。
日本では病室に子供が入れない病院もありますが、Lindo Wingは入れます。
上の子はもう3歳、妊娠中からお腹に赤ちゃんがいる事を何度も教えてきたので、赤ちゃんが私から出てきた事は理解しているようでした。
さっそく抱っこしたがったので、おそるおそる抱っこで写真撮影。

ちっちゃいねーかわいいねー
まずはヤキモチも焼かず、新しい家族の仲間入りを歓迎している様子で安心です。
夕食♥
18時、夕食の時間です。
スープ、メイン、デザート。
スープは日替わり、メイン・デザートは曜日別のメニューから選べます。
お願いしなくても、毎食パンが付いてきました。
陣痛中になんとかオーダーした、本日の夕食はこちら。
グリークサラダの上に、かなり立派なサーモンが乗っていました。
(イギリスの)病院食とは思えない豪華さ。
パンは見た目通りカスカスな感じでしたが、その他のお味は可もなく不可もなく。
産後の体にスープがしみました。
面会に来ていた家族は食事のため帰宅しましたが、付き添いの人の分も£12弱で頼めます。
ロンドンの外食の相場を考えれば、全然お高くありません。
旦那さんの分も頼んで一緒に食べても良いですね。
夜間のできごと
19:30、分娩に立ち会ってくださったmidwifeが来てくださいました。

交代の時間なので、私は帰りますね。
おめでとう!!
ハグして帰宅。外国ですね。
20:00、夜の担当のmidwifeも挨拶に。

交代しました。
痛み止め(painkiller)使いますか?
授乳(breastfeeding)は順調ですか?

痛みはありません。
授乳はしていますが、母乳は出てくる感じはありません。

吸わせてればそのうち出てくるので大丈夫ですよ。
日本では、母乳が足りなそうな場合はミルクを足すように指導される事もありますが、
イギリスでは基本的に産後しばらくはミルクは足しません。
産後5日目の体重次第でミルクを足す指示が出ますが、それまではおしっこが全く出ないなど、よほどの脱水症状がない限り、ひたすらおっぱいを吸わせるようです。

夜間は赤ちゃんを新生児室(nursery)でお預かりしますか?
NHSでは母児同室が基本ですが、Lindo Wingでは夜間赤ちゃんを預かってもらえます。
安産であまり疲れていなかったので、夜間も赤ちゃんは預けず、隣に寝かせておく事にしました。
私はGBSが陽性なのに抗生剤が効く前にお産になってしまったので、
midwifeは2時間ごとに赤ちゃんにGBS感染の症状がないか、体温、心拍数、呼吸音を確認してくださいました。
(詳しくは出産編、GBS解説編をどうぞ。)
その度に、
・授乳をいつしたか
・赤ちゃんはおしっこ、うんちをしたか
・痛み止めはいらないか
を聞かれました。
赤ちゃんは夜間ほとんど寝てしまってあまり授乳もできず、
その割に2時間おきのチェックや、「ふにゃ」という声でつい起きてしまうため、ほとんど寝られませんでした。
翌日から自宅に戻る事を考えると、夜間は赤ちゃんを預けて、ゆっくり休んでもよかったかもしれません。
consultantの来室
翌朝7時、私の検温と血圧測定。
8時前に、consultant(お医者さん)が会いに来てくださいました。

体調はいかがですか?

体調は良いです。

会陰を塗った糸は10日くらいでとけます。
2週間はお風呂ではなくシャワーにしてくださいね。
痛み止めはカルポルなど市販のプラセタモール(日本では商品名カロナールなどのアセトアミノフェンと一緒)を使っていいですよ。
午前中に新生児聴覚スクリーニング検査(Hearing check)があります。
小児科の先生(pediatrician)の診察は10時にあります。
BCGについてもお話があると思います。
では、また6週間後の診察でお会いしましょう。
どうやら午前中は色々と忙しそうです。
朝食♥
朝食の時間に合わせて、夫と子供も来院です。
昨晩は寝る時に私がいなくて、息子が泣きじゃくっていたとの事。
当初は2泊くらいする予定でしたが、安産だったおかげもあり一晩でかなり回復しましたし、息子が赤ちゃん返りしても嫌なので、17時頃に帰宅する事にしました。
8時、朝食です。
夫はトラディショナルブレックファースト、オレンジジュース、コーヒー、
私はイングリッシュマフィン(スモークサーモンとスクランブルエッグ乗せ)とトースト、アップルジュース、コーヒーをお願いしました。
子供にも分けて、家族3人で食べました。
少なく見えますが、イングリッシュマフィンが意外とボリューミーでお腹いっぱいになりました。
陣痛中に余裕のない中でメニューを選んだので、私の献立は野菜なしでバランス悪し…

今日退院されますか?

今日の夕食前に退院しようと思っています。

では、昼食のメニューを決めてください。
あと、15時にアフタヌーンティーをお出ししていますので召し上がってくださいね。

日本の出産の時にもおやつはあったけど、アフタヌーンティーなんてイギリスっぽくてステキ。
夫は息子を送りにナーサリーへ。
診察
9:30頃、midwifeが診察に来ました。
足のむくみ、お腹を触って子宮の戻り、下着を脱いで悪露の量のチェック。
退院に向けての書類作成にあたり、自宅の住所とGPの名前を確認されました。
次に、physiotherapist(理学療法士さん)が来室、骨盤底筋の筋トレなど、産後の運動について簡単な講義がありました。
産後、入院中の私に関する診察、指導はこれだけです。
日本で出産した時には、おっぱいマッサージをしてもらったり、授乳指導やら沐浴指導やらの指導があったりで忙しかったのですが、簡単。
遠い記憶をたどりながら、空き時間に自分でおっぱいマッサージをしておきました。
会計
10:30、ドアがあき、小児科の先生かと思いきや、事務の会計係の方でした。
まず、退院の時間の確認。
通常の退院は12時で、以降は1時間あたり£50かかるとの事でした。
(Lindo Wingの料金表には「First 24 hours delivery package」と書いてありましたが)
17時の退院だと5時間オーバーなので£250の追加です。
当初はもう一泊(+£1,175!)しようと思っていたので、だいぶ安くなりました(金銭感覚崩壊!)。
また、会計にBCGの注射代をいれるかを聞かれました。
BCGはイギリスでは定期接種ではありませんが、Lindo Wingでは希望すれば有料で接種してもらえます。
日本では生後5〜8ヶ月で接種が勧められているし、イギリスは結核の患者数が多い国でもありません(多くないから定期接種ではなく任意接種)。

BCG?こんな生まれたてでわざわざしなくても。
と思って断りました。
あとでゆっくり調べて見ると、BCGの予防接種が行われている日本以外の国では出生後すぐに注射を打つのだとか。
日本では、早すぎると免疫が十分につかないとか、副作用の骨炎が増える可能性があるとか言われていますが、
他の国々で問題なく接種されているなら、このタイミングで打っておいても良かったかもしれません。
新生児聴覚スクリーニング検査(Hearing check)
次に、聴覚テストです。
イギリスで行われているのは、主にOAE(耳音響放射)というタイプのテストです。
日本では、ABR(聴性脳幹反応)というタイプのテストの事が多いですが、どちらも難聴の可能性があるかを検査します。
ゴロゴローっと検査の機械をベッドの隣まで持って来てもらい、検査開始。
耳に小さな機械を入れられて、赤ちゃんは号泣。
あやしてもらい、泣き止んだところで検査。
5分ほどで終わりました。
結果はPASS(合格)。
もうすぐ11時。小児科の先生はまだ来ません。

10時って言ってたのに。
通常の退院が12時なのにまだ来ないのはおかしいかな?
部屋で待つんじゃなくて診察室に行くのかしら…
と思い、部屋で待っていて良いかを確認しましたが、大丈夫との事。

NHSの方で緊急の患者さんがいるのかしら。
小児科医(pediatrician)の診察
11:50、綺麗なお姉さんが来室。
サラサラのストレートヘアをなびかせ、派手な服にヒール、爪にはマニキュア。

小児科医です。赤ちゃんのチェックしますね。

お医者さんだった!急患対応してた感じじゃないわ。
身長・体重を測り、全身をかなりしっかり診てくださいました。
今後、赤ちゃんが受けないといけないのは、
・聴覚スクリーニング検査(済)
・生後5日目の新生児マススクリーニング検査(newborn spot test)@自宅
・生後6週目の診察@GP
・生後8週目から始まる予防接種(immunisation)@GP

BCGは打ちますか?

今日はやらなくて良いかと思っています。

OK。
BCGについての説明は特にありませんでした。
昼食♥
ランチはライターオプションメニューから選びます。
スープ、メイン、デザート。
私はエビとアボカドのバゲットサンド、フルーツプレートを選びました。
アフタヌーンティー
午後は特にやる事もないので、新しくタオルをもらってシャワー、置いてある雑誌を読みながらウトウトしていたら、もう15時。
一人でアフタヌーンティーは寂しいので、家で赤ちゃんを迎える準備をしていた夫を呼び寄せ、一緒にいただきます。
先ほど昼食を食べたばかりでしたが、2人でほぼ完食しました。
美味しかったです。
退院
アフタヌーンティーを楽しんだ後、夫はナーサリーへ行って息子を回収してきました。
ナースステーションに寄って、そろそろ退院する旨を伝えます。
midwifeから、GP宛て、CM(community midwife)宛ての封筒、出生届提出のための出生通知書をもらいました。
退院後の予定は、
・産後5日目にmidwifeの診察
・産後10日目にmidwifeの診察
・産後11日目以降にhealth visitorとの面談
・以降は、しばらく1週ごとにbaby clinicで体重測定
と言われました。
この他、やらないといけない事については、
・GPに登録(GP宛ての手紙を持って、6週以内)
registry officeで出生証明書をもらえれば、大使館に出生届を出せます。
ナースステーションにお菓子を置いて退院しようとすると、

チャイルドシートは?

歩いて帰るから使いません。

じゃあベビーカーがないと。
夫が家にベビーカーを取りに行き、ようやく退院。
キャサリン妃が出産後に退院される時のお決まりの写真、帰りに私たちも撮っておきました。
ベビーカーを自宅から取っては来ましたが、生後2日目でベビーカーに乗せてロンドンの悪路を行く方が心配だったので、抱っこで帰りました。
まとめ
安全に出産を終える事ができ、スタッフの方もみなさん親切で、本当に良かったです。
良くも悪くも、診察や指導はほとんどありません。
出産翌日の午前中は検査や診察で忙しかったですが、その他は食事以外ほとんど来室もなく、ゆっくりと過ごす事ができました。
普段は上の子がいてバタバタするので、思いがけず夫とのんびりアフタヌーンティーができたのも良かったです。
一人目の出産の場合は、
母親学級(antenatal class)などで事前に赤ちゃんのお世話について学んでおいて、わからない事は自分から積極的に質問しないと、退院後に不安になってしまうかもしれません。
ただ、無料のNHSに対し、こちらLindo Wingでの出産は大変お金がかかります。
私は夫の会社から出産費用の補助がありましたが、自分で支払うのであればコストパフォーマンスとしてどうかは何とも言えません。
これから出産予定の方にお伝えしたい事は、
・のんびり優雅に過ごせます。
・部屋や食事に期待のしすぎは禁物!
・やって欲しい事があれば自分から!!待ってても何もしてもらえません。