駐妻生活にも慣れてきた頃、二人目の妊娠が発覚!
妊娠12週でコンバインド検査という検査を受けてきました。
日本ではあまり一般的ではない、コンバインド検査。
日本でより一般的に行われている出生前診断と比較したので、
受けるか検討している方の参考になれば嬉しいです。
出生前診断とは?
いつもの健診の超音波検査も、
赤ちゃんが元気か、妊娠が正常か、など出生前に診断する検査ですので、
広い意味では出生前診断に入ります。
でも、ここで言う出生前診断とは、
出生前に、赤ちゃんの染色体に異常がないかを診断する検査
のこと。
まず気をつけておかないといけないのは、
この検査は染色体の異常がないかを調べる検査であって、
染色体に異常がなくても、赤ちゃんに生まれつき病気がないとは限らない
という事。
生まれつき病気を持って生まれた赤ちゃんのうち、
染色体の異常によるものは、わずか1/4程度。
心臓に病気があるなど、超音波検査でわかるような生まれつきの形態異常は
妊娠20週の精密超音波検査(胎児スクリーニング)で調べてもらえます。
出生前診断の比較
日本で一般的に行われている出生前診断と、コンバインド検査について、表にまとめました。
コンバインド検査 | クワトロ検査 | NIPT | 羊水検査 | 絨毛検査 | |
---|---|---|---|---|---|
実施時期 | 11〜13週 | 15〜18週 | 10週以降 | 15〜16週以降 | 11〜14週 |
検査対象 | T21、T18、T13 | T21、T18、 開放性神経管奇形 |
T21、T18、T13 | 染色体疾患全般 | |
必要な検査 | 血液検査、 超音波検査、 問診 |
血液検査、 問診 |
血液検査 | 羊水穿刺 | 絨毛穿刺 |
T21に対する 感度 |
約90% | 約80% | 99.9% | 99.9% | |
非確定/確定 | 非確定的検査 | 確定的検査 | |||
流産のリスク | なし | 約1/300 | 約1/100 | ||
日本での費用 | 約3万円 | 1-2万円 | 約20万円 | 10-20万円 | |
特徴 | 費用は安いが 精度は低め |
費用は高いが 精度は高い |
確定診断だが 流産のリスクがある |
T21(21トリソミー)とは、よく知られているダウン症候群のことで、
21番目の染色体が3本(通常2本)ある病気です。
T18(18トリソミー)とは、エドワーズ症候群、
T13(13トリソミー)とは、パトウ症候群ともいい、
それぞれ18番目、13番目の染色体が3本ある病気。
ダウン症よりも稀で、ダウン症よりも症状が重い病気です。
開放性神経管奇形とは、
二分脊椎や無脳症
などの神経管の病気で、
妊娠初期に葉酸を摂るとリスクが減ると言われています。
これは染色体の異常ではありませんが、
クワトロ検査で調べるAFPという物質が増える事が知られているため、
クワトロ検査では一緒に調べられます。
羊水検査や絨毛検査は、
お母さんのお腹に針を刺し、子宮をつらぬいて、羊水や絨毛を採取するので、
1%以下ですが流産の可能性があります。
クワトロ検査、コンバインド検査とは
クワトロ検査は、
・お母さんの情報などの問診
から、赤ちゃんが染色体異常である確率を計算するものです。
結果はあくまで確率で、ダウン症なら、
ダウン症の確率が1/295以上だと「陽性」
という結果がかえってきます。
例えば1/100でも「陽性」になるわけですが、
「同じ状況のお母さんから生まれた赤ちゃんが100人いた時、1人が異常と推測される」
ことを意味するので、逆に
「100人中99人は異常ではない」
ことを意味します。
なので、本当に赤ちゃんに異常があるかを知りたければ、
さらに羊水検査をする必要があります。
絨毛検査でも良いのですが、結果がでる頃には羊水検査ができる時期なので、
流産のリスクの低い羊水検査が選ばれます。
逆に結果が「陰性」であった場合、
赤ちゃんがダウン症や18トリソミーである可能性は低いですが、
感度(疾患がある人のうち、検査で陽性となる人)は80%ですので、
「絶対にダウン症や18トリソミーではない」とは言えません。
血液検査と問診だけで手軽に、費用も安く調べられるのですが、
結果をどうとらえるかが難しい検査です。
コンバインド検査も同じように染色体異常の確率を調べる検査です。
コンバインド検査は、超音波検査で
赤ちゃんの首の後ろのむくみの厚さ(NT)
も調べる必要があります。
クワトロ検査よりも
・少し精度が高い
ことが特徴です。
NIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査)とは
NIPTは「新型出生前診断」や「母体血胎児染色体検査」などと呼ばれていますが、
日本では2013年に導入され、かなりニュースにもなりました。
NIPTは、
お母さんの血液中にただよっている赤ちゃんのDNAの破片
を調べる事で染色体異常を検査します。
クワトロ検査やコンバインド検査の、それまでの非確定的検査とは根本的に違う検査です。
・感度が99.9%と羊水検査並みに高い
・早い時期から検査可能
が特徴です。
NIPTで陰性なら、ダウン症を含む対象の染色体異常はほぼないと考えられます。
35歳以上なら陽性的中率(検査で陽性の人のうち、実際に疾患がある人)も80%以上と高いのですが、
やはり確定診断には羊水検査や絨毛検査が必要となります。
日本では、基本的には
・赤ちゃんの染色体異常の可能性が高い場合
のみ、受ける事ができます。
イギリスでの出生前診断は?
NHSでは、
コンバインド検査(combined test)を無料で
受けることができます。
コンバインド検査は妊娠13週までにNTを測定する必要があるため、
この時期をすぎてしまった場合には
クワトロ検査(quadruple test)、あるいはトリプルテスト(triple test)
が受けられます。
また、NHSではできませんがプライベートのクリニックで
NIPTは£400〜900くらいで検査可能です。
日本よりは安く受けられます。
ジャパングリーンメディカルセンターではNIPTは検査できないようですが、
検査できる施設を紹介してもらえるそうですよ。
まとめ
コンバインド検査かクワトロ検査を受けるなら、
・妊娠11週〜13週で受けられるなら精度も高いコンバインド検査を、
・遅くなってしまったらクワトロ検査を
受ける!
・お金を払えば、流産リスクなしで精度の高いNIPTも受けられる!
・検査を受けないという選択肢もある!
私は染色体異常の可能性が高い場合は、日本での出産を考えたので、検査を受けました。
でも、受けたくない・受ける必要がないと思う方も多いはず。
検査の前に「受けますか?」と確認されるので、「不要です」と言いましょう。
ご夫婦で相談して、納得できる方法をとってくださいね。