イギリスでの妊娠出産記。〜妊娠中期@ジャパングリーンメディカルセンター

妊娠・出産

駐妻生活にも慣れてきた頃、二人目の妊娠が発覚!

妊娠中期にジャパングリーンメディカルセンターで妊婦健診を受けました。
日本とは違う診察内容と、胎児スクリーニング、切迫早産、百日咳ワクチンについても詳しく説明するので参考になさってくださいね。

早産の予防法は、イギリスは日本とはかなり違います!

妊娠初期の受診記録はこちらから。
妊娠初期①妊娠初期②

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妊娠中期の健診@ジャパンメディカルセンター

・妊娠16週 超音波検査
・妊娠20週 超音波検査(胎児スクリーニング)、経腟超音波検査、百日咳ワクチン接種
・妊娠24週 超音波検査

妊娠16週 性別判定

前回は妊娠12週で検査を色々と受け、
約1週間後に郵便で特に異常なしとの結果を受け取っていました。
そして4週間後の受診です。

妊娠16週の診察内容

今回も診察の前に、尿検査、体重測定、血圧測定を済ませます。

先生と簡単にお話し、さっそく超音波検査です。
順調に成長していることを確認していただきました。

性別どっちか見ます?

ぜひ。

おまたにハッキリ見えました。男の子でした。

体勢が良ければ、だいたい妊娠16週か20週には性別を見てもらえます。

おまたに男性器が付いているか、あるいは女性特有の形(木の葉状)に見えるか
で判断するので、
体勢が悪いともっと遅くまでわからない事もあります。

女の子と言われていたけど生まれたら男の子だった、
という事もありますので、プライベートで何度か超音波で見てもらえる場合は出産までに何回か確認してもらえるといいですね。

この子も男の子なら、新生児の服は上の子のおさがりでいいかな。

百日咳ワクチンの説明を受け、次回一緒に打っていただけるように予約をとりました。
次はまた4週間後です。

妊娠20週 胎児スクリーニング、頸管長、百日咳ワクチン

妊娠20週は、NHSでも2回目の超音波検査をする時期です。
胎児スクリーニングという赤ちゃんの各臓器のチェックをしてもらいます。

胎児スクリーニングってなに?

胎児スクリーニングとは、
赤ちゃんの臓器の形やへその緒に異常がないかの検査のこと

で、通常妊娠20週前後で行われます。
精密超音波検査胎児ドックとも呼ばれます。

妊娠中に異常を見つけてもらうことで、

・出産後すぐに専門医に対応してもらう環境を整える
・適切な分娩方法を選ぶ

などが可能になります。

例えば、赤ちゃんが腹壁破裂という、
へその緒の横から腸が飛び出しているような病気の場合。

分娩の時に、
お腹から飛び出ている赤ちゃんの腸が傷ついてしまう可能性
があります。
事前にわかっていれば分娩方法は帝王切開にして予防できます。

また、出産直後に手術が必要になりますので、
小児外科の先生達に赤ちゃんの手術の準備をしておいてもらう必要があります。

事前に病気がわかっていれば、最善の状態で赤ちゃんを産むことができますね。

子宮頸管長ってなに?

子宮頸管長とは子宮の出口の長さで、経腟超音波検査ではかります。

頸管長短縮と早産の関係

妊娠37週から妊娠41週の出産を正期産と呼び、これに対し、
妊娠22週から妊娠36週の出産を早産
妊娠21週までの出産を流産と呼びます。

子宮頸管長が短いと早産になる可能性が高いと言われており、
頸管長が25mm未満で約4割、20mm未満で約75%もが
早産になるとの報告があります。

そこで、日本産科婦人科学会のガイドラインでは、
全妊婦に対して、妊娠18週から24週の間に子宮頸管長を測定する
ことが勧められています。

頸管長が短く、早産の危険性の高い人に対し、
注意深く観察あるいは治療することができます。

しかし、イギリスでは基本的には妊娠中に経腟超音波検査が行われないので、
頸管が短くなる危険性の高い妊婦さん以外、通常頸管長は測定されません。

切迫早産と頸管無力症

日本産科婦人科学会のガイドラインから抜粋すると、

妊娠22週から妊娠36週に、
規則的収縮 (規則的にお腹がはること)
かつ
頸管熟化傾向 (子宮の出口の長さが短くなる、出口が開くこと)
がある場合
切迫早産と診断する

とあります。
簡単には、「早産になりそうな状態」のことです。

一方、
お腹の張りなどの症状がないのに子宮口が開きそうな状態
子宮頸管無力症といいます。

大きくなった赤ちゃんや胎盤を子宮頸管が支えられず、
子宮頸管が短くなり、子宮の出口が開いてきてしまいます。
そのまま出口が開くと、流産や早産になります。

イギリスだと普通は頸管長をはからないから、
症状のない子宮頸管無力症には気づけないね。

治療

日本での治療 〜欧米との比較

日本では、頸管無力症に対して、

・更に頸管が短くならないか、子宮が開かないか慎重に経過観察
・頸管縫縮術(子宮の出口を縛る手術)

が行われます。

また、切迫早産に対しては、

・安静
・子宮収縮抑制剤(リトドリン塩酸塩や硫酸マグネシウム)の投与
・抗菌薬の投与
などが行われます。
肺の発達が未熟な34週未満での分娩が、1週間以内に予想される場合は、
・赤ちゃんの肺の成熟・頭の中での出血予防のため、ステロイド投与
が行われます。

特にウテメリンなどのリトドリン塩酸塩はよく使われていて、

お腹が張ります。

と言うだけで内服薬が処方される事も多いです。

一方、欧米では、ウテメリンには副作用があり、効果も限られている点から、
早産治療目的での内服薬の使用は、承認が取り消されています

ウテメリンを使用するとしても、
注射薬の48時間以内の投与のみに限定されています。

この48時間とは、
・前述のステロイドを分娩前に投与する(24時間ごとに2回)
・未熟児の管理が可能な施設へ搬送する
ために必要な時間として設定されています。
日本でもこのような方針に変更した施設もあります。
イギリスでの治療
イギリスでも、やはりウテメリンは使いません。
イギリス(NICE)のガイドラインには、

子宮抑制剤としてβ刺激薬(ウテメリンを含む)を使わないこと
Do not offer betamimetics for tocolysis.

と明記してあります。
このガイドラインによると、
頸管長短縮(妊娠16週〜24週で25mm未満)に対して、
・プロゲステロン(黄体ホルモン)の腟内投与 か、
・頸管縫縮術(子宮の出口を縛る手術)
48時間以内の分娩が予想される場合(頸管長15mm未満など)に、
・子宮収縮抑制剤(ニフェジピン)投与
・ステロイド投与
が早産予防として行われます。

他の欧米諸国と同様に、
子宮収縮抑制剤は48時間以内の分娩が予想される場合の「時間稼ぎ」
として使われます。

使う薬のニフェジピンは、日本では血圧を下げる薬として使われていますが、
日本では早産予防としての保険適応はありません

プロゲステロンについても、欧米ではかなり効果的と言われていますが、
日本人に対する有効性はまだ確立しておらず、日本では治療として一般的ではありません。

また、日本で切迫早産治療として使用されている硫酸マグネシウムについては、
赤ちゃんの神経保護作用を目的に使用されることがあります。
日本では副作用に注意しながら数週間も使用されることがありますが、
イギリスでは、早産が確実な場合、24時間以内に分娩になる場合に限られており、24時間以上使用してはいけない事になっています。

全然違う!
そのうち日本の治療方針も欧米風になるのかしら??

百日咳(whooping cough)ワクチンってどんなワクチン?

6か月未満の赤ちゃんが百日咳にかかってしまうと呼吸困難になり、
最悪の場合、肺炎などで亡くなってしまう事もあります。

イギリスでは、妊娠16週以降の妊婦を対象にワクチンの接種がすすめられていて、
NHSなら無料で打つことができます。

赤ちゃんは、お母さんから胎盤を通して抗体を受け取り、この免疫はしばらく続きます。

その後は赤ちゃん自身が受ける予防接種(イギリスでは生後2ヶ月から、日本では生後3ヶ月から)で抗体を作り、体を守ることになります。

イギリスの他、アメリカやオーストラリアなどでも妊娠中の百日咳ワクチンが推奨されています。
日本では特に推奨されていませんが、百日咳を含む三種混合ワクチンを1万円ほどで打つことができます。

日本で1人目を妊娠してる時は、知らずにワクチン打たなかった…

百日咳とは関係ありませんが、冬はインフルエンザワクチンも受けましょう

妊娠20週の診察内容

今回も診察の前に、尿検査、体重測定、血圧測定。

診察室に入って、先生と簡単にお話。
ズボンとショーツを取ってベッドに仰向けで寝ます。

まずは経腟超音波検査から。
イギリスの健診では通常しませんが、日本式に検査していただきました。
子宮頸管の長さは問題なし。
胎盤も子宮の出口付近になくて、異常なし。

続いて経腹超音波検査
脳、背骨、顔、心臓、お腹、手足、と順にチェックしていただきます。
大きな異常はなさそうでした。
胎盤の位置も確認して、4Dで顔をみていただきました。

前回受診時に百日咳の予防接種をお願いしておいたので、
三種混合(DTaP;ジフテリア、破傷風、百日咳)ワクチンを打っていただきました。

今回は精密超音波と経腟超音波、ワクチンがあったので、いつも以上に費用がかかりましたが、色々診ていただいて安心です。

妊娠24週 血流測定

尿検査、体重測定、血圧測定を済ませて診察室へ。
簡単にお話しして、超音波検査です。

いつも通り、順調に成長していることを確認。

いつもこの時期に、血流を評価しています。

へその緒の血流や、子宮動脈の血流を測定していただきました。

子宮動脈は子宮を栄養する血管ですが、妊娠すると徐々に血管の抵抗が下がり、子宮に向かう血流が増えます。

妊娠高血圧症や胎児発育不全といった病態になる人は子宮動脈の血管抵抗が高いままである事が多く、
発症前の予測のために血流を評価することがあります。

血流は良いので、妊娠高血圧症にはならなそうですね。
赤ちゃんも大きく育ちそうですよ。

実際、妊娠高血圧症にはなりませんでしたし、
赤ちゃんも3300gと十分な大きさでした。

日本では妊娠24週以降は2週間ごとの健診となることが多いですが、
ジャパングリーンメディカルセンターでは次も4週間後とのこと。
次は妊娠28週、妊娠後期に入ります。

次回は糖の負荷試験をするので、前日の夜9時以降は水以外の飲食をしないで受診してください。

あと、当院の患者さんがプライベート病院で出産される場合、妊娠30週から転院することが多いです。
次回が当院での診察は最後ですね。
もちろん、それ以降でも何かあればいつでも受診してくださいね。

次回までにプライベート病院の見学に行かないと。

まとめ

妊娠中期も、ジャパングリーンメディカルセンターで健診していただきました。
日本とは違い、むくみのチェックは一度もされませんでした。

早産予防についての対応が、日本とイギリス(欧米)でかなり異なることには驚きです!

「日本式医療」というジャパングリーンメディカルセンターですが、
治療はイギリスの方針に準じますので、ウテメリンなど処方してもらえません。

私は幸い早産兆候はありませんでしたが、
「お腹が張ったら収縮抑制剤」という日本風の妊娠に慣れてしまっていると
不安に感じるかもしれません。

かわりに、有効性が高いと言われているプロゲステロンが使えるのは嬉しい!