子供がイギリスで鼻を骨折して手術した話①

育児

先日4歳の息子が鼻を骨折したのですが、骨折の診断を受けるまでは長い道のりでした。

日本レベルの医療をイギリスで受ける大変さと、医療保険加入の大切さ(公的病院での医療費無料のイギリスでも!)を痛感しました。

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受傷

ある日、いつも通りナーサリー(保育園)に迎えに行くと、息子の顔がいつもと違う…
鼻全体が腫れ、目まで腫れぼったくなっていました。

今日は大変だったのよ。
友達同士でぶつかって、20分くらい鼻血が止まらなくて。

あらまあ。連絡くれても良かったのに

鼻はひどく腫れていて、触ると痛がります。
帰宅時にはすでに腫れが強いためはっきりしませんが、鼻が曲がっているようにも見えます。

緊急を要する症状はなさそうでしたが、骨折していないか心配だったため、翌日病院を受診しました。

病院通い

翌朝、改めて見ると、親の目には明らかに鼻が曲がっているように見えてきました。

鼻の骨折では曲がったまま骨がくっつき始めてしまうため、1-2週間以内の整復手術が望ましいとされています。
骨がくっついた後に治そうとすると、大掛かりな手術が必要になってしまいます。

骨折していたら、簡単に治せるうちに治療を受けさせてあげたい。

骨がくっつき始めないかヒヤヒヤしながら、3つの病院を渡り歩きました。

  1. 日系クリニック① 受診
    「レントゲンを撮るほどではないでしょう。」
  2. 日系クリニック② 受診、レントゲン撮影
    「鼻中隔は曲がっている。でも、おそらく骨折ではない。」
  3. 日系クリニック② 受診 2回目
    「放射線科の先生のレポートで、骨折疑い専門医に紹介。」
  4. 日系クリニック② 紹介状受け取り
  5. 現地私立病院(専門医) 受診、CT撮影骨折の診断
  6. 現地私立病院 手術(日帰り入院で、全身麻酔)
  7. 現地私立病院 術後チェック 終診

日系クリニック①

怪我の翌朝、午後の日系クリニック①の予約が取れたので受診。

鼻筋、鼻の穴は通っているし、意識や目の動きも異常なし。
さらに骨折かを調べるにはレントゲンが必要ですが…
レントゲンを撮るほどではないでしょう。
腫れがひいても気になる場合は、また受診してください。

という感じでした。

この日系クリニック①は現地の病院の一角にあるクリニック。
日系とはいえ、レントゲン撮影の敷居が高いようでした。

医療費無料がゆえ、医療のマンパワーも資源も施設もお金も足りていないイギリス。
鼻がふさがっているなど機能的に問題がない時点で、あとは見た目の問題。
今すぐに治療が必要な人がたくさんいる中で、「曲がっているかもしれない」程度の患者にお金や人を使っている場合ではありません。

NHSのGPを受診しても、このような診察、診断で終わるでしょうし、それも仕方ないのだろうと思います。

日系クリニック②

とはいえ、やはり日本並みの医療を受けさせてあげたいと思うのが親心。

腫れがひくまで待って骨折だったら、曲がったまま骨がくっついちゃいそう。

翌日、やはり鼻が曲がって見えるため、別の日系クリニックを受診しました。

この日系クリニック②はフロア全体が自分のクリニックで放射線科もあるので、レントゲン撮影の敷居が比較的低いだろうと予想。
(日系クリニック①の方が近いので、まずは①を受診しましたが)

軽く診察を受け、

レントゲンを撮ってみない事にはわからないので、撮りましょう。

という事で、すぐにレントゲンを撮っていただけました。

レントゲンの結果は、

鼻中隔(左右の鼻の穴を仕切る壁)は曲がっている
→ただし、おそらく生まれつきだろう
・鼻の骨の骨折の可能性が否定できない場所がある
→他の臨床所見と合わせると、おそらく骨折ではないだろう

との事でした。

現地の放射線科医にも、画像を見てもらうとの事。

読影の結果は送られてくるんですか?

いえ、結果は通常お伝えしていません。
では、読影が私の見立てと違う場合は連絡いたしますね。

お願いします。

画像上、骨折の可能性が残る点は少し気になりましたが、

2人の医師が見て骨折でないと言うなら、そうなのだろう。

と納得(私も医師ではありますが…)して帰宅。

2日後、さらに2日後に再受診するようクリニックから連絡がありました。
前回受診時のやりとりから、放射線科の先生は骨折を疑っていると予想して受診、その通りの内容でした。

放射線科の先生からCTの撮影を勧めるコメントがありましたので、鼻専門の医師をご紹介いたします。
日本にいれば、すぐに専門の医師にかかっていたと思いますので、専門医を受診されれば安心でしょう。
この程度でNHSで診てもらうのは難しいので、私立の病院になります。

「この程度」とは言われず、もう少し湾曲表現でしたが。
予約代行もしていただけるので、受診できる最短の日でお願いしたところ、2日後に予約をしていただけました。

受診前に紹介状を受け取りに行く必要がある(当日中は無理との事)ため、翌日にも日系クリニック②を受診。

すでに、週に4日の病院通い(0歳時連れの時もあり)、疲れてきました。

私立だからこそ予約が取れて、週に4回も通えるのですから、文句なんて言わずに感謝しないといけませんね。

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現地の私立病院

Bupa Cromwell Hospitalという病院の、鼻専門の先生をご紹介いただきました。

紹介状を読み、息子の鼻を確認。

consultant

機能的には問題なさそうなので、後は形の問題です。
私は以前の鼻を知らないので、親御さんから見て曲がっているかが大事です。
2, 3分で済むので、CTを撮りましょう。
今日撮れるか、放射線科に行って聞いてみましょう。

そのまま放射線科へ移動。フットワークの軽い先生です。
放射線科の受付で交渉してくださり、すぐに撮っていただける事になりました。
子供なので長時間待つのは大変だろう、と配慮していただいたようでした。

CTは、撮影している間に動いてしまうと画像がぶれてしまうので、じっとしていなければなりません。
じっとできない小児の場合は薬で寝て撮影する事も多く、息子もじっとしていられるか心配でした。

CT(写真はイメージです)

こんな部屋に1人で閉じ込められて、頭を固定されて、頭の上で機械が動き始めたら、つい頭を動かして見てしまっても、子供なら仕方ないんじゃないか…

しかし、そこは小児も多く扱っているこの病院。

・待ち時間が少なく、息子の機嫌が良い状態で検査にのぞめた
・ご褒美の存在を知らされ、息子がやる気になった
・母(私)がプロテクター(被曝の防護服)を着て、隣に立っていられた

事もあり、難なく撮影終了。

撮影できて褒められ、ご褒美のアクティビティブックをもらい、息子大喜び。
アクティビティパック

ご褒美の力、絶大。よかった。

撮影できたCTで鼻骨の陥没骨折が発覚し、後日手術をする事となりました。

骨折の診断を受けるにも一苦労のイギリス

そんなこんなで、ようやく骨折の診断がつきました。

病院に行った翌日に別の病院を受診するのは少し気が引けましたが、「モンスターペイシェント」と言われたとしても、行ってよかったです。

日系クリニックでの診察料は、加入している医療保険に直接請求がいくのでわかりませんが、現地の病院の診察料は合計約£500(7万円程度)でした。
ちなみに、手術は約£2000(30万円弱)。

私たちのような長期滞在者は、イギリスの公的医療機関(NHS)であれば無料で診察・治療を受けられますが、NHSでは骨折と診断してもらえたか、怪しいところです。

私たちは、長期旅行者向けの海外旅行保険に加入しています。日系クリニックでの診療・治療、日系クリニックからの紹介があれば現地の病院での診察・治療も無料で受けられるため(出産関連を除く)、全て無料、いくらかかるだろうかとヒヤヒヤせずに済みました。

海外保険の保険費用も長期だと高額になりますので、保険には加入せず、どうしてもNHSではラチがあかない場合には自腹を切る、というのも十分に選択肢にはなりうると思います。

いづれにしても、極端な話、
イギリスでは機能的に問題ない骨折の治療は、お金のある人のする事
なのだなあ、と考えさせられた出来事でした。